食事の姿勢-子供・年配ともに高さと背筋が重要

食事の姿勢って気になるものですよね。特に子供の姿勢を見ると言ったらこの食事時が一番多いかもしれません。

食事時の姿勢で気を付けるのは、両手が食卓の上にあがる食卓の高さ、背筋が伸びていること、顔は若干下向きになる、足が浮かないことなどです。

片手だけで出して、食器を支えずにご飯を食べる子は、テーブルやいすの高さに問題があるかもしれませんよ。
また、お年寄りの誤嚥(ごえん:食べ物が食道ではなく気管に入ってしまうこと)や、むせる(誤嚥の手前ですね)のを防ぐことにも姿勢の管理がとっても大事なんです。

食卓(テーブル)が高いと片手しか使わないように

テーブルが高すぎると片手で食事

テーブルが高すぎると片手で食事するようになりやすい。片手食事は背骨がゆがむリスクが。

ちゃんと両手を出して食べなさい、子供ならみんなこんな風に注意されるものです。でもこれ、子供のマナーが悪いとか横着しているだけとは限りません。
両手を出しにくいから片手で食べてしまう、というのもあるんです。

座って食卓に向かったとき、食卓の高さが肘より低い場合は自然と腕が出ますので両手を使って食べやすいです。理想は肘を90度に曲げた時に手が食卓の上に来る高さです。
逆に食卓のほうが肘より高いと、肩の筋肉を使って腕を持ち上げないと食卓の上に手が乗りません。両手を常に上げ続けるのは大変なので、自然と手をあげなくなります。

また、食卓が高すぎると体を横に曲げるようになります。これは体を横に倒すと反対側の腕が上がるためです。例えば、左に曲げると左肩が下がり右肩が上がります。こうすることで肩の力をあまり使わずに腕をあげることができます。
このため左手を上げられなくなり、右手だけをつかって食事をするようになります。

この片手でご飯を食べるというのはマナーだけの問題ではなく、姿勢にとっても大問題です。

上記の通り、体を横に曲げて腕を上げるので、背骨は横に湾曲しています。この姿勢が続くと普段から横に曲がった側弯(そくわん)になる危険があります。
正確にはどんな人でも右に若干の側弯がありますが、問題となるほど大きなものではありません。しかし、横に曲がった姿勢を続けると側弯が大きくなり、体調にも問題が起きてきます。
普通に立った時、肩の高さが左右で異なっていたら側弯が大きい証拠です。

肩の高さが左右で異なっていても慌てることはありません。背骨に異常が出てないうちは、正しい姿勢を続ければ治ってきます。

両手が食卓の上に

椅子で高さを調節し、両手が食卓の上に来るように

食卓が高い場合は、座面にクッションを置いたり、子供用の椅子を使ったりして、椅子で高さを調節しましょう。

床に座って食べる場合は、正座椅子がおすすめです。
高さが補えるうえに、正座で背筋も伸ばしやすくなります。正座でも足がしびれないですし、長座でも使えるので不便を感じることがありません。 我が家でも正座椅子を使っていますが、ほんと便利です。

背筋を伸ばすのは基本

大人、子供に関わらず、食事中に背筋を伸ばしておくのは基本です。正しい姿勢をとることは当たり前なんですが、食べやすさや食事をのどに詰まらせる誤嚥を防ぐためにも大切です。

試しに、まず姿勢を正してください。次に顎と喉の距離を変えずに背中を丸めてみてください。視線が下向きになりますね。食事中は視線が下にある食卓を向くので、今作ってもらった姿勢が背中を丸めて食事をするときの姿勢です。
最初に背筋を伸ばしたときと比べると喉が若干苦しいはずです。試しに何か飲み込もうとすると、かなり無理があるのがわかります。

これでは食事ができないので、人は自然に顎を突き出して喉の通りをよくします。これが危険。
確かに苦しさはなくなるのですが咽頭(食道の入り口)から気管がまっすぐに並んでしまい、食べ物が気管に入りやすくなるのでむせる(誤嚥)原因となります。

咽頭

咽頭・気管・食道。咽頭と気管が真っすぐになると誤嚥しやすくなります

本来、気管は咽頭より前に位置し、咽頭と食道がまっすぐに並ぶのが理想です。
そのためには背筋を伸ばして、顎が突き出ないようにします。ここで注意するのは、背筋は伸ばしても顔は若干下向きにすることです。

顔は下向きにすると飲み込みやすくむせにくい

顔は下向きに

食事は、顎を引き若干下向きで

背筋は伸ばしても、顔は若干下向きにするのが食事の姿勢です。

食卓に視線を向けるんだから当たり前と思うかもしれませんが、そうでもないんです。

姿勢を意識して、眼だけ下に向けて首はまっすぐにしたまま食事をする人もいるんです。
お年寄りで動きが硬くなっている場合にも起こります。
小さなお子さんでも、テーブルが高すぎて目線の食卓の高さの差が小さい場合、顔はほぼ真正面を向いたままになってしまいます。

顔がまっすぐ前を向いていると、咽頭と気管が直線で並んでしまうので誤嚥しやすくなります。

顔を下向きにすると、気管が前に来て咽頭と角度がつくため、食べ物が気管に入りにくくなります。

目安としては、顎と首の間に指が2~3本入る程度まで顎を引きます。やってみるとわかりますが、それほど大きくうつむくわけではありません。

食事の姿勢まとめ、その他の注意点

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