読書・勉強中の姿勢-頭の位置と首の痛み・テキストネック

悪い姿勢の読書

悪い姿勢の 読書

読書や勉強の姿勢、悪くなりがちです。この写真のような姿勢で本を読んでいませんか?

本やノート、スマートフォンを見るために首が下向きになりがちですが、この角度が大きいと首の骨の湾曲が失われるストレートネックを引き起こします。

ストレートネックは首の痛み、肩の凝り、精神の不調を引き起こす恐れがあり非常に厄介です。

ストレートネックは英語圏ではテキストネックと呼ばれ、書類(テキスト)を読む際の悪い姿勢によって引き起こされる問題として、昔から知られています。

スマートフォンの登場でストレートネックの人が増えて、スマートフォンで起きる症状と思われていますが、同じことは本でも起きるんです。

テキストネックとは

テキストネックと正常な首の比較

左:テキストネック、右:自然な首のカーブ
(写真:Foster Chiropractic より)

日本ではストレートネックと呼ばれる首のカーブが失われる問題、英語圏ではテキストネックと呼ばれています。

首の骨は頭部からいったん前方に向かい、その後首の付け根に行くに従い後方に向かうというカーブを描いています。
テキストネックやストレートネックは、この首の骨(頚椎)のカーブが失われてしまう症状です。

頚椎のカーブが失われると

といった症状が出ることがあり、かなり深刻な問題です。

この首のカーブを失わせるのが、首を下に向けた姿勢。冒頭で紹介した悪い姿勢の読書の画像がまさにそう。
首を下に向けると首の骨(頚椎)の湾曲がなくなります。この姿勢が長時間継続されることが繰り返されることで、徐々に首のカーブが失われていきます。

通常の首と下向きの首

左)正面を向いた通常の首、右)下を向いた時の首

下を向く動作は自然ですし、このとき首の湾曲がなくなるのも自然なことなんですが、この伸ばされた状態が長時間継続されるというのが問題なんです。

無理な姿勢を続けるうちに体が変形するわけです。

首の角度と負担

そして下向きの時、首には大きな負担もかかっておりこれもテキストネック(ストレートネック)、および肩こりなどの疲れの原因となっています。

首の角度と負担

首の角度と負荷の関係
首への負担は、まっすぐのとき5㎏程度なのに、よくある下向きでは20㎏を超えている
Surgical Technology International 2014 Nov;25:277-9. Assessment of Stresses in the Cervical Spine Caused by Posture and Position of the Head; Kenneth K. Hansraj より引用

画像はスマートフォンを使用したときの物ですが、本でも同じです。顔が下に向くほど首にかかる負担が大きくなります。

よくある45度程度で4倍の20㎏、60度まで行くと約6倍もの重さです。
これほどの負荷がかかっていては首への悪影響はもちろん、疲れやすくもなりますので、長時間集中して勉強することが難しくなります。

勉強や読書で肩がこるという人、首が下に向いているかもしれませんよ
ストレートネックにまでなると、肩こりだけでは済まなくなる可能性があるので、一度姿勢を確認しておきましょう。

読書・勉強の正しい姿勢

勉強はもちろん、読書もできれば机に向かって行ったほうが、首・背中が伸ばしやすいのでお勧めです。

机を使った読書の正しい姿勢

机に本を立てて視線を上げる

机がある場合は

本を体から離したところで、立てて持つと背筋がのび、首も下に向きません。

机がない場合

読書の姿勢

本を立てて持ち視線を上げる

本を立てて、できるだけ高い位置に持つようにしましょう。体から離れたところで持つほうがよいですが、それで腕が疲れるようなら、脇を閉め、肘を体につけましょう。肘を体につけると高さが低くなりがちですが、この時も本の高さをなるべく下げないように注意しましょう。

背中を伸ばせば首も伸びる

背筋が伸びているときは頭が前を向き、頭が下に向くときは背中が丸まっています。背筋が伸びているのに首だけ下に向くということはあまりありません。

これは背筋が伸びているのに首が下を向くというのは不自然な姿勢だからです。背筋を伸ばしたまま首を長い時間下に向けると喉(のど)が圧迫され苦しいのがわかります。

一時的ならこの不自然な体制も可能ですが、長時間続けるのは困難ですよね。

背筋が伸びているなら頭をあげたほうが楽な姿勢となるので、首は自然と上に向きやすくなります。

読書や勉強は座って行うのが普通です。なので、座った時に背筋が伸びるような道具を用意すると首が下に向くのを防げますよ。

椅子に座るなら一押しはP!into(ピント)、その次にStyle(スタイル)ですね。

正座なら正座椅子が脚もしびれなくて便利です。正座椅子は背筋が必ず伸びるわけではないですが、ないよりは伸びやすくなります。

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