正しい寝る姿勢と枕の高さ-寝起き時の首・肩こり防止

正しい姿勢と枕の高さ

正しい姿勢で寝るための枕の高さ

寝るときの正しい姿勢って気にしていますか?

仰向けに寝れば猫背も反り腰も起こらないので姿勢と関係ないように思えますが、そんなことはありません。
布団が柔らかすぎると腰が反りすぎて腰痛の原因になりますし、枕の高さが合わなければ肩こりや首の痛みの原因にもなります。

まずここでは枕について考えてみましょう。

仰向けで寝た時の正しい枕の高さ

仰向けと横向きでは見るポイントが変わってきます。
まず、仰向けで寝た場合の正しい枕の高さは、首と背筋を結んだ線が一直線になる高さです。

まっすぐに立って正しい姿勢を作るときに、耳・肩・骨盤を結んだ線が一直線になりますが、あれと同じです。

仰向けで寝た時の正しい枕の高さ

正しい高さの時、呼吸が楽になる

仰向けで寝た(仰臥位:ぎょうがい)場合で、適切な高さの枕・高い枕の図を比較してみると、枕が高いと首筋の線が曲がってしまうのがわかります。

このように、首が前傾すると気道がせまくなり呼吸が苦しくなります。首を前に曲げてみるとわかりますね。そのため、いびきをしやすくなったり、疲れが取れにくくなったりするなどの問題が起こりやすくなります。また、首・肩の筋肉に負担がかかるので首や肩のコリの原因にもなります。

枕が低すぎる場合、首が後ろに反ってしまうので、頚椎(首の骨)が常に伸ばされた形となります。首が反ると頚椎の神経が圧迫され、神経症や首や肩の痛みの原因となります。また、口が開きやすいので、いびきや口呼吸も引き起こしやすくなります。

適切な枕の高さは、体形や頭の形状により個人差があり、頭を乗せた状態でおよそ2cm~4cmと言われています。

図のように、首が真っすぐになるのが最適な枕の高さですが、自分では確認しにくいものでもあります。

目安としては呼吸が楽というところ。しかし、首に負担がかかるような低すぎる枕でも首が伸びていると呼吸は楽なので、呼吸が楽なら正しいとは言い切れません。

低すぎると首が反って口元や首の皮膚が引っ張られるので、呼吸が楽でも首が突っ張るような感触があれば低すぎるサインです。

また、正しい高さの時、目線はほぼ真上を向きます。

楽に呼吸ができ、首や口元が突っ張らず、目線が真上、これが仰向け時の最適な枕の目安になります。

「それでは低すぎて落ち着かない」という方は、少し枕を高くしても、首の角度が15度程度に収まる範囲なら問題ありません。

しかし、横向きになった時はそうはいきません。

横向きで寝た時の正しい枕の高さ

横向きで寝た(側臥位)時は、おでこ・鼻・顎を結んだ線が床と平行になるのが正しい姿勢です。立っているときに左右に曲がっていない正しい姿勢と同じですね。

横向きで寝た時の枕の高さ 正しい高さのとき、背骨が真っすぐ、床と平行に

横向きになった時は肩が下に来るので枕に高さが足りないと首が下に曲がってしまいます。
首が下向きになると、頚椎や首・肩の筋肉への負担が大きくなります。

肩の高さがあるので、首をまっすぐにするには、枕は頭を乗せた状態で10cm程度の高さが必要になります。
横を向いて寝た状態で、おでこの中心・鼻・顎を結んだ直線が床と平行であることを鏡で確認すると簡単です。

さて、お分かりのように、仰向けと横向きでは最適な枕の高さが異なるという、なんとも悩ましい事態です。

「私は仰向けで寝る」という方でも、通常、人は寝返りをするので(寝返りができなと腰痛などの原因になるほか、高齢者では皮膚が破れる褥瘡(じょくそう)にも)、仰向け・横向きどちらの姿勢も取ります。

この問題を解決するにはどうすればよいでしょうか?

最適な枕

まず、枕の高さの前に注意しておくのが、低反発などの柔らかい枕は好ましくないということです。柔らかい枕は頭が沈み込み、寝返りしにくくなります。特に、低反発素材は頭の形状に沿ってきれいに沈み込むので、寝返りしにくいです。

また、枕の幅は、50cmは必要です。小さすぎると完全な寝返りができなくなってしまいます。

柔らかい枕は避け、幅50cm程度が確認できたら、次はいよいよ高さの問題を解決していきましょう。

最適な枕の高さ、一つは横向きに合わせることです。

仰向けのとき15度程度であれば首が上向きに曲がってもよいと書きました。この範囲を利用します。

横向きで寝た時に首が真っすぐ(おでこ・鼻・あごを結んだ線が床と平行)であることを確認し、次に仰向けになっても呼吸が苦しくない、15度程度に収まっていることを確認します。

これで、横向きでは首がまっすぐ、仰向けでは首はまっすぐにはならないが問題の少ない範囲に収まる枕の高さとなります。

こんなピッタリの高さの枕が見つからないという場合はバスタオルを利用しましょう。
バスタオルを3枚程度用意して、それぞれを折って重ね、高すぎると感じたら1枚ずつめくりながら調節します。
横向きで首がほぼ真っすぐ・仰向け時には15度以内で息が楽である状態、これが最適な枕の高さの一つです。

タオル枕のデメリットは、崩れやすいこと。特にめくって高さ調節をした場合は崩れやすく、崩れてしまうと就寝前のセットが面倒です。

あと、仰向けに対して若干高いこと。例えば、私は横向きに枕の高さを合わせると仰向けになった時にどうしても高く感じてしまいます。

そこで、もう一つの方法は、仰向け・横向きで枕の高さを変えることです。

私のように、横向きに合わせると仰向け時に枕が高いと感じる方にお勧めなのが、中心と左右で枕の高さを変える方法です。

まず中心部では仰向けに高さを合わせます。そしてその左右に横向きに合わせた高さの枕を配置。
これで寝返りを打って姿勢が変わっても首は常に真っすぐに保たれます。

この方法のデメリットは、何といっても枕が3つ必要ってこと。
寝心地は最高なんです。腰が疲れていて今日は横向きがいいなって時も、大の字で寝たいってときも寝返りを打つだけでピッタリと高さがあってくれるので、すごくいいんです。
しかし、それがわかっていても3つも用意するのは大変です。

そんな声にこたえて、中央と左右で高さの異なる枕がいくつか出ています。私は仕事の関係で、アメリカで販売されているものを以前から持っていたのですが、調べてみると国内でもいくつか出ています。

機能と評判を見てみると、アイリスオーヤマの「匠眠 高さ調節ピロー ハイクラス」がおすすめですね。

匠眠(たくみん) 高さ調節ピロー ハイクラス

匠眠シリーズの枕は中央が低く・左右が高く作られているので、枕を複数用意する必要がありません。
さらにハイクラスからは中央と左右、それぞれの高さを自由に調節できるので、仰向けでも横向きでもピッタリの高さが作れます。

また首筋部分がなだらかになっているので、首の角度が上がりすぎず、頚椎の自然なカーブが保たれるように作られています。

匠眠シリーズの枕はスタンダードもありますが、スタンダードは全体の高さ調節のみなので、中央・左右ともに個別に調節できるハイクラス以上がおすすめです。

匠眠 高さ調節ピローの詳細ページ

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