椅子に座った時の正しい姿勢・悪い姿勢

現代の生活において、椅子に座って過ごす時間の長い人が多いです。しかし、椅子に座っているときって立っているより姿勢が崩れやすいので、正しい姿勢を保つのは結構難しいです。人体の構造上、長時間座っていれば自然と背中が丸まってしまいます。

特に勉強やデスクワークなど、視線が下向きになる時間が長い作業では特に背中が丸まり猫背になりやすいです。それ以外にもよくある椅子での悪い姿勢とあるべき正しい姿勢を紹介します。

猫背

猫背

机に向かうとありがちな”猫背”

椅子に座っての猫背、ありがちな姿勢です。

床に座った場合、背もたれのない椅子での悪い姿勢といえば基本、この猫背です。

立っているときの猫背同様、腰に負担がかかってしまいます。

また、首の負担も深刻で、立っているときより注意が必要です。

猫背で首が前に出ると、首の骨の湾曲がなくなりまっすぐになります。一時的ならいいですが、椅子に座っている場合、読書・仕事・テレビ鑑賞など、この姿勢のまま、動かないことが多いです。
そうなると首の骨がまっすぐになったまま長時間過ごすこととなり、次第に首の骨の湾曲が失われていきます。これがストレートネックと呼ばれる症状です。

ストレートネックは、肩こり、首のコリ、頭痛、などを引き起こします。

浅く腰掛けて背中をあずける:もたれ座り

浅い腰掛け

浅い腰掛け-もたれ座り:電車や待合室でも見ますね

身体の筋力を使わないようにする姿勢です。子供で多く見られますが、筋力が弱い大人でもよく見られます。
酔った人も筋肉を正しく使えないので、こんな姿勢になることが多いですね。

浅く腰掛けているため腰と椅子の背もたれに隙間があるのに、背中を椅子にあずけているので腰に体重がかかります。腰の負担が大きく、腰痛、ひどいとヘルニアを引き起こす場合があります。

さらに体が倒れている分、顔を正面に向けるためには顎を引いて首を下向きに曲げる必要があるため、頚椎の湾曲が失われるストレートネックのリスクもあります。(ストレートネックについては「スマートフォンで起こる姿勢の問題-ストレートネック」で解説)。

椅子に深く腰掛けることである程度防げますが、子供などは徐々に浅くなってまた背中を預ける姿勢に戻ることが多いです。

リクライニングに寄りかかる

エンジニアすわり

PC作業者に多い、通称エンジニア座り

上の背中を預ける座り方とほぼ同じですが、リクライニングの椅子を使った場合です。
プログラマーなどパソコン作業が多い人によく見られるので、俗にエンジニア座りと呼ばれています。

エンジニア座りは腰への負担が少ないとされる場合がありますが、それは専用の椅子を使用した場合のみです。また首への負担は専用椅子でも避けられませんので、いかなる場合もよくありません。

写真をみると、背中が丸まって骨盤が寝ているので、腰に負担がかかっています。

また理想とする位置より首が前に出ているので、首・肩への負担がかかりますし、首の骨の理想的なS字がなくなるストレートネックに近づきます。

リクライニングは背伸びなどでリフレッシュするときに一時的に使うもので、恒常的に寄りかかるような使い方は姿勢によくありません。

椅子での姿勢改善

正しい姿勢

椅子での正しい姿勢

椅子で正しい姿勢をとるには、

机での読書の正しい姿勢

本を読むなら本を手元から離し、本を立てます。これで視線が下がりにくくなります

長時間座れば自然と崩れる

椅子に座っていると、自然と頭が前に来て背中が丸まってしまいます。これは避けられません。

椅子に座った時の重心線と基底面

左:椅子での正しい姿勢-基底面の中心が重心線よりかなり前にあるため、姿勢保持が難しい
右:前傾姿勢-重心線と基底面の中心が近づくので、腹部の筋肉などは楽。頭を支える首・肩は負担増

体の中心を通る重心線が体を支える面である基底面の中心を通れば、体は安定します。しかし、椅子では重心線が基底面の中心より後ろに来てしまうのでバランスが悪く、体感の筋肉への負荷が大きくなります。このため体感の筋肉を休ませようと重心線が基底面の中心に寄ってきて、猫背となってしまいます。

そのため、気を付けていても椅子に長時間座っていると姿勢は崩れやすいです。体を休ませるために、定期的に立ち上がって休憩を挟むようにすると姿勢を保ちやすいです。姿勢保持→休憩、これを日々、気を付けて行いトレーニングすることで、徐々に姿勢を保てる時間が長くなります。

いくらトレーニングをつんでも、ずっと姿勢を保つことはできませんので、適宜休憩は必要ですが。

また、椅子での正しい姿勢におすすめなのが、椅子において使う姿勢クッション、「P!nto(ピント)」と「Style(スタイル)」です。(バランスチェアはあまりお勧めしません。)

これらを使えばトレーニングしなくても姿勢を正すことができます。

P!nto(ピント)

P!nto(ピント)は今使っている椅子にそのまま置いて使えるのが便利な姿勢矯正クッション。

背もたれのある椅子にならどんなものでも使えます。軽いので持ち運びも簡単です。
背もたれのない椅子や床に直接おいての単体使用はできません。床で使用したい場合は座椅子に設置します。

P!ntoを椅子において深く腰掛けると、自然と姿勢が良くなります。また全体が柔らかいので初めての人でも違和感なく長時間使用できます

さらに、動いても体が自然と正しい位置に戻るように設計されており、上半身を自由に動かすことができ矯正感がありません。これがすごい!
腰も背中も押されているような感覚がないのに、自然と正しい姿勢で座れるんです。体感してみないとわからないと思いますが、矯正感がないのですごく不思議な感じ。
窮屈さがないので、正しい姿勢でいることを自然であると感じられますよ。

座り心地、効果、使いやすさから考え、姿勢矯正グッズとしてはP!ntoが最高です。

ただ、お値段は約13000円とお高いです。

P!ntoの詳細ページ

Style

StyleもP!nto同様、椅子にそのまま置いて使える姿勢矯正グッズ。こちらも軽くて持ち運び簡単。どんな椅子にも使えます。

使い方はStyleを椅子において、Styleに腰が当たるよう深く腰かけます。すると自然に姿勢良く座れます。

P!ntoと違い、硬い素材でクッション性はありません。
また、座面が滑りやすいので慣れないうちは腰が押されお尻がだんだん前に移動してしまう場合があります。 正しい姿勢に慣れて腰が正しいカーブを描くようになると滑らなくなります。
腰の両側を斜め後ろから押す形状なので、若干窮屈。上半身をP!ntoほど自由には動かせません。動かしたい時はちょっと腰を前に向ければいいだけなので不便というほどではありませんが。

欠点を上げましたが、十分満足できる製品です。ただ素材の硬さ、滑りやすさを考えるとP!ntoには及ばないというだけです。
その分お値段は約8000円と、P!ntoよりお手頃。

また便利なのが、単体で座椅子としても使えるところ。
Styleを床に置いて、足を伸ばして座ることもできます。残念ながらあぐらや正座には使えません。

子供用も販売されていますよ。

使用する場合、最初は15分など、時間を区切って使ったほうがいいです。子供なら、宿題のときはStyleを使う、ゲームの時にStyleを使うなど、場面で区切って徐々に慣れていくのがおすすめです。

特長的な形で、素材も堅いので、最初から長時間座ると違和感があります。無理のない範囲で徐々に慣れていくようにしましょう。

Styleの詳細ページ

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